タイトル:中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版

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概要

中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版の電子ブックです。

Ⅱ.地域間連携促進ツール2.木拾い方法木拾いの目的「木材供給体制に対応した実現性の高い金額の算出」●木材の供給主体の積算法と整合性の取れた、実現可能性の高い木造の積算方法を理解し、現在の供給システムと乖離や無理のない木材調達、現場でのトラブル防止となる木工事金額を見積・積算するため。木拾い内容「木材の材取りや加工を想定した算出方法と仕様設定」●木拾い積算を行う際には、規格寸法や継手仕口のための余長等、供給側の木材の積算方法を理解する必要がある。基本的には、実施設計終了時に行う。●木材発注時には、仕様書へ求める品質等の指定が必要である。部材名称、樹種、等級、長さ、材幅、材高、数量、JASの指定、含水率等を木材仕様書としてまとめる。●計画段階から、意匠設計、構造設計のみならず、プレカット会社等供給事業者との連携で、木材調達事情に合った効率的な木造設計・積算へつなげられる。特に、施工者発注前から連携することで、現場段階での材の選定と木材工事金額見積・積算の精度を高めることが可能になる。事例紹介(1)20の支援ツール●木材発注のための仕様書については、平成29年度の設計段階からの技術支援事業報告書内の「木造化・木質化へ向けた20の支援ツール」の支援ツール7「木材の品質管理仕様書」、支援ツール8「木材購入仕様書雛型」が参考になる。(資料編を参照)(2)静岡県●静岡県の富士楽寿園では、意匠設計者と構造設計者が、計画段階から連携することで効率的な木造設計と木拾い、積算、木材調達へつなげている。●木構造は、在来軸組工法で、県産材、国産材、外材、一般流通材、一部大断面集成材を部位に応じて適材適所に利用した経済設計に取り組んでいる。●プレカット会社では、計画段階で約150m3の木材を確保する必要が見込まれていたことで。県内製材所で調達できる量を確認後、県外調達を検討し必要木材量の確保を段取りした。また、プレカット加工も工期内対応するために、県内の他に県外へも依頼している。●実施設計段階から設計事務所が数社のプレカット会社へ相談したことで、県産材をはじめ国産材等の木材調達が、プランとコストにあわせ柔軟に調整された。また、工事費の調整を行う中で、木部現しの計画を被覆する等の調整で対応している。富士楽寿園施工中の様子40