タイトル:中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版

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概要

中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版の電子ブックです。

はじめに2010年の「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の制定や、CLT(クロスラミネイテッドティンバー)の普及促進等の結果、非住宅の木造建築物の建設が増えている。特に近年は、木材利用や木造建築の建設が、ESG投資やSDGsの一環としても位置づけられ、経済界全般から注目されている。その結果、「中大規模木造建築」とも呼ばれるように、徐々にその規模が大きく、かつ件数も急速に増えている。また、2021年10月には、前述の法律は「脱炭素社会の実現に資するまち等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市の木造化推進法)」と発展的に改正された。非住宅・中大規模木造建築の建設は、今後益々、活発化することが予想されている。そうした中で、非住宅・中大規模木造建築の建設の各段階において、従来の地域の枠を超えた動きが生じている。例えば、大量の木材を必要とする大規模な木造建築では、周辺地域からの調達も考慮する必要がある。また、CLTや大断面集成材、LVLなどは、地域内に製造拠点がない場合、自ずと他地域から調達することになる。また、スパンの大きな建物では、組み立てトラスなどが必要になることもあるが、その場合には、接合部の設計や組み立てには、他地域の技術者や経験者のノウハウが必要となる。以上のように、非住宅・中大規模木造建築の普及に伴って、企画、設計、材料調達、加工・施工などの諸段階において、人・物・情報は、地域を越えた「地域間での連携」が必要になっている。そうした状況を受けて、地域間の連携を円滑に進めるための参考資料をまとめたのが本書である。本書では、まず、中大規模木造建築の実現に向けて、県内で木造化を推進するための協議会等の設立や人材育成等の進め方をまとめた。県内の事業者のネットワーク化である。県内での木造化の対応力が高まると、県内でできることとできないことの判断がしやすくなる。次に、地域間の連携を進めるための、各地域の人的、物的リソースをまとめた。近隣地域にどのようなリソースがあるのかを知る手がかりとなるものである。更に、近年の建設事例において地域間連携がどのように図られたのか、を示した。以上のように、本書は、これから建物の木造化を計画する発注者や、設計・施工に関わるステークホルダーに向けて、「地域間連携」をキーワードとして、情報をまとめたものである。非住宅・中大規模木造建築を、より合理的・効果的に建設するために、本書が活用されることを期待している。地域間連携促進ツール作成ワーキング主査大橋好光1