タイトル:中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版

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概要

中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版の電子ブックです。

Ⅳ.資料編【支援ツール7】木材の品質管理仕様書(以下は平成26年度報告書からの抜粋である。)木材の品質を確認するために必要な検査方法などを仕様書としてまとめた成果事業者富山県建築設計監理協同組合木構造設計を進め、特記仕様書の木材に関する仕様をまとめることで、工事施工者等へ木材品質を伝えることになる。ここでは、JAS材と共に無等級材を使う際に、指定する木材品質の検査等に関する記述例を富山県入善町の保育園の事例をもとに紹介する。富山県入善町では、技術支援を2年間受けてきたことから、発注者、設計者、木材関係者の情報共有の場がつくられており、木材の事前発注を行う際の調達スケジュールや、発注時に必要となる特記仕様書の作成が関係者間で取り組まれていた。関係者間で試行錯誤しまとめられた仕様書や品質管理を施工段階で検証し、今年度の技術支援により以下の疑問点・課題等と採用・改善点がまとめられた。疑問点・課題等全数検査が必須な部位、抜き取り検査でよい部位の選び方抜き取り検査の割合の考え方たわみ算定を用いるヤング係数と検査時のヤング係数の下限値の設定方法採用・改善点・たわみの管理が重要な部位(今回は垂木受け材)を仕様書や構造図に明記し、全数検査を徹底することとした。・検査を徹底するために、納材者は、検査計画書(検査日時、検査場所、実施者・立会者、検査部位、検査項目、検査本数、使用機器、合否の判定方法等を記載)を作成し、発注者、工事監理者(設計者)、木材研究所と協議し、了承を得ることとした。・「構造用木材の強度試験マニュアルH23年版」(公益財団法人日本住宅・木材技術センター発行)「Ⅵ.品質確認のための抜き取り検査法」を参考とした。・設計段階で、使用する県産材のヤング係数を県のデータや試験伐採などによるデータ収集から計算に使用し、設計に用いたヤング係数-1.0kN/mm2程度を検査時の下限値とした。特記仕様書の書き方としては、検査主体、検査場所、検査部位・数量、検査方法、検査基準、立会者等を施工者や木材関係者へ伝えやすく、記入しやすいようにしている。仕様書作成の際は、<参考記入書式4>を活用し発注者、意匠設計者、構造設計者、木材関係者等で情報共有を行いながら各物件に応じた特記を行うことが望まれる。118