タイトル:中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版

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中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版 の116ページ目の概要です。

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概要

中大規模木造建築のための地域間連携促進ツール(企画から連携へ)令和4年度版の電子ブックです。

Ⅳ.資料編1.20の支援ツールが目指すところ20の支援ツールは、木造化・木質化の事業プロセスの各段階で必要な事項をまとめたものである。初めて木造化・木質化へ取り組む関係者にとって、各項目の内容の理解や実践に時間がかかることも考えられる。そこで、20の支援ツールが目指す、3つの効果を以下に示す。1地域で主体的に木造化・木質化ができるようになる。2関係者の体制整備方針と役割分担が明確になる。3木材活用と木材品質確保へ向けた地域主体の取り組みが広がる。3つの効果は、7年間の支援により検証されている。地域材を活用して木造化・木質化を始める際は、知識や経験がなく、どのように進めればよいのかわからないことが少なくない。しかし、木造化・木質化の課題を把握し、20の支援ツールの内容やプロセスを理解し実践することで、地域の関係者が主体的に取り組めるようになる。木材供給体制整備とともに関係者の中に木材コーディネーターが位置づけられると、より効率的に事業をすすめることができ、木材の調達等も効率的になる。また、地域の関係者それぞれが担う役割が明確になることで、体制の全体像が把握でき地域内で取り組めること、地域外と連携して取り組むこと等の役割分担や方針等が明確になることで無理のない取り組みへもつながる。木造化・木質化物件の経験を経ることで、課題が見出され課題改善へ向けた取り組みへの広がりもある。また、近隣市町村が木造施設建設に取り組む際の参考となり、木造化・木質化情報の普及にもつながっている。木造は高い、木造は耐久性が低いなどといった風評意見で木造化・木質化が実現しないことも少なくない。しかし、そこには、無理な木材調達や木造のできない設計者が選定されていることが原因の場合もある。そうならないためにも、今回の技術支援があり、20の支援ツールがまとめられた。今後は、20の支援ツールを使いこなし、木造ができる設計者を選定し、地域で体制を組むことで、木造の方が結果的に地域経済や環境などへも効果的でよりよいと認識され、更なる木造化・木質化が広がることが期待される。116